慧眼

  • ある作家のエッセイで「慧眼の慧の字を彗星の彗と勘違いして『彗眼(すいがん)』だと思っていた」という話がありました。その後、読者から「自分も『すいがん』だと思っていた」というメールがたくさん送られてきたと言いますから、多くの人が同様の勘違いをしていた、あるいは今もしているのではないかと思います。
  • 慧眼の「慧」は訓読みでは「さと-い」と読み「理解・判断が的確で早い。賢い」という意味だそうです。一方、彗星の「彗」は箒(ほうき)という意味です(そういえば、彗星は「ほうき星」とも呼ばれていますね)。
  • 実は裏の裏をかいて「慧と彗は似たような意味で、古くは『彗眼』とも書いた」という可能性もあるかと思っていたのですが、意味が全然違うのでそんなことは無さそうです。
  • ちょっと悪趣味ですが、慧眼を彗眼と勘違いしている人がどれくらい居るのだろうと思い、検索をして見たところ約 10,700 件の該当ページが見つかりました。私が思っていた以上の数字です。
  • 検索で見つかったページを見ていたら「清代の1882年、彗眼という仏教僧によって…」という記述がありました。上海の玉仏寺というお寺を開いたお坊さんの名前ようです。人名とは言え『彗眼』という言葉も無い訳ではなさそうです。それにしても「ほうき+眼」とは奇妙な名前です。……と思ったのですが、この記述自体が『慧眼』の書き間違いという可能性もあります。ついでなのでこちらについても調べてみました。
  • 玉仏寺で検索してみると、『慧眼』の間違いではないことがすぐに解りました。このお寺の開祖は『慧根』という人でした。なんと彗も眼も間違いだったのです。

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